「はーい、今日は転校生を紹介しまーす。」 うだるような暑い日の翌日、朝のHRで銀ちゃんが全然やる気なさそうにそう言った。 この言葉に教卓のまん前の席で保険委員のさっちゃんが立ち上がる。 「先生!ちょっと待って下さい! まだウチのクラス半分も紹介出来てないんですよ!? そんな中さらに新しいキャラを投入する気ですか!? 放置プレイも大概にして下さい!」 「うるせーよ。しゃーねーだろ、昨日理事長が連れて来ちまったんだから。」 さっちゃんの必死の抗議を銀ちゃんは軽く受け流した。 「理事長って、昨日言ってたあれのことアルか?」 「へぇー、あれちゃんと伏線だったんだ。ただのその場しのぎかと思った。」 「はーい君達、兄妹そろって物語が破綻するようなコメントは控えるように。」 神威と神楽ちゃんが言ったのを、銀ちゃんはビシッと注意した。 私も昨日のは辰馬先生を出したいがための会話だと思ってた……。 「じゃあ転校生、入って来い。」 銀ちゃんが扉に向かって声をかけた。 だが、一向に人が入ってくる気配がない。 「先生、本当に転校生なんて居るんですか? またこれキャラ紹介したいがための話じゃないんですか?」 「馬鹿言うな。俺が嘘ついてるってのかコノヤロー。」 ぱっつぁんの言葉に銀ちゃんが怒ったようにそう言った。 しかし、待てども待てども一向に人は入って来ない。 「おい、ちょ、山崎。お前ちょっと見て来いよ。」 「えぇ!?俺ぇ!?」 しびれを切らした銀ちゃんが窓側の席に座る退に命令した。 退は面倒くさそうに声をあげたが、結局トボトボとドアに向かって歩き始めた。 すると。 ドガァァァン!!!!! 退がドアを開けようとした瞬間、ドアが吹っ飛んだ。 『Σきゃああぁぁ!?退ぅぅぅ!?』 「ザキィィィ!!!!!大丈夫かぁぁ!?」 爆音と共に吹っ飛んだ退に近藤さんが慌てて駆けつける。 いきなりの爆発にクラス中が騒がしくなった。 「おいおい、また沖田のヤローが多串君にバズーカでもぶっ放しやがったのか?」 「先生、俺はここに座ってます。総悟も俺の隣で憎たらしく座ってます。 そして多串君じゃありません。」 「お前コレっ、誰が責任取ると思ってんだよ、多串君。」 「先生聞いて下さい。目の前の席見て下さい。あと多串君じゃありません。」 「まぁあぶさんが責任取ってくれると思うけどね、多串君。」 「先生そろそろ面倒くさいです。」 銀ちゃんとトシがそんなショートコントをかましている時、 白い煙に包まれたドアの方からガラッという音がして、 おかっぱ頭の可愛らしい女の子が何食わぬ顔で教室に入ってきた。 「ご紹介に預かりやした、外道丸と申します。以後お見知りおきを。」 外道丸というらしい女の子は礼儀正しくそう言うと、 ペコリとこれまた丁寧にお辞儀をした。 しかし、その制服は返り血で染まっている。 「ウチのクラスにまともな人間は居ないのか……。」 『鴨太郎、言っとくけどアンタも大概変人だからね。』 私は前の席で頭を抱えた鴨太郎にツッコんだ。3Z=珍獣屋敷
(だって担任が変な人ですものね) (姉上、アナタも十分その一員ですよ) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ だって陰陽師組大好きなんだもん! ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/01/06 管理人:かほ