しょうせつ

突然現れた血まみれの美少女・外道丸ちゃんにあんまり驚かない3Zメンバー。
まぁ教室破壊なんていつもの事だし、
登校早々血まみれなんて神威と晋助で経験済みだし、
慣れっこと言えばもう慣れっこなんだけどね。

「あれれ、誰かと思えばヒッキーの巳厘野じゃねーか。」

負傷した退を取り囲んでいた風紀委員の中の1人である総悟が、
白煙も薄くなってきたドアの方を見てそう言った。

『巳厘野?誰それ、そんな人居たっけ?』
「殿は2年次に転校してきた故知らないのでござるよ。」
「隣の席を見なんし。の隣の席が、あの巳厘野の席でありんす。」

私の問いに答えてくれた万斉とつっきーの言葉に、私は自分の左の席を見た。
確かに、私の隣の席、つまり一番窓側の一番後ろの席は空席だ。

『あれ?でもここって山の神様に祀ってんじゃなかったの?』
「誰だそんなデマカセ言ったのは……。」
『銀ちゃん。』

私の答えに、清がはぁ、と深いため息をついた。

「清の周りは問題児ばかりだな……。」

つっきーの隣の席の小太郎がため息をついてそう言った。
ちょっと待て、清の周りの席には私も入るんだぞコラ。

「確かになぁ。
 後ろは道満、隣は鴨太郎、斜め前が神威で斜め後ろはだもんなぁ。」
『ちょっと!アタシを問題児にカウントすんの止めてくんない!?
 アタシのどこが変なのよ!至って普通の女子高生でしょ!?』
「至って普通の女子高生は窓から登校してきたりしないよ。」

私が憤慨して抗議すると、鴨太郎に華麗にツッコまれた。
くっ……痛いところを突いてくるな……。(1限目参照)

「おい巳厘野、お前登校するなら連絡くらいしろ。
 お前ずっと登校拒否だったから今日も欠席にしちゃったじゃねーか。」

ドアの所で倒れている巳厘野君に銀ちゃんが面倒くさそうにそう言った。
でも巳厘野君から言葉が返ってくることはなく、
代わりに様子を見るために近づいた総悟が返事する。

「先生ェ、巳厘野のヤロー気絶してますぜ。」
「あぁ?一体何のために登校してきたんだよコイツ。
 まぁいい。風紀委員、お前等ソイツを保健室に連れて行け。
 あと外道丸、お前清の前の席な。ほら、あそこの長髪イケメン。」
『清、問題児1人増えたよ。』
「誰か助けてくれ……。」

銀ちゃんの言葉で血まみれ少女が自分の席に近づいてくると、
清が深いため息をつきながら頭を抱え込んでしまった。
ここで朝のHRの終わりを告げるチャイムが鳴り、
巳厘野君を担ぎ上げた風紀委員の皆と銀ちゃんは教室を出て行ってしまった。

「よろしくお願いしやす。大丈夫でござんすか?」

清の前の席に座った外道丸ちゃんは後ろを振り返って清に挨拶をした。
そして、頭を抱えていた清の肩にポンと手を乗せてしまったのだ。

「ぎゃあぁぁ!?ジンマシンがァァァ!!!!」

外道丸ちゃんが触れたと同時にガタンッと席を立って叫ぶ清。
その斜め前では神威がケラケラと笑っていた。

「ジンマシン?一体どうされたでござんすか?」
「外道丸さん、清は女性アレルギーなんだよ……。」
「女性アレルギー?」
「女に触られるとジンマシンが出て超かゆいらしーぜ。」

暴れる清をキョトンとした目で見ている外道丸ちゃんに、
前の席に座っているこのクラスで唯一と言っていい常識人である原田君と、
ぱっつぁんの友達という事以外なんの特徴も無いタカチンが苦笑いで教えてあげた。
その言葉に、外道丸ちゃんがニヤリと笑ったのを、私は見逃さなかった。

「清の周りは問題児ばかりだと言うけれど、
 本人も負けず劣らずの問題児じゃないか。」
『いや、ただの変人の集まりのような気が……アタシ抜きで。』
「お主等、いい加減に認めるでありんす。」

こうして、3Zの朝はいつも通りの騒がしさになった。




人にって言った方がなんだから!

(ところで一時間目って何だっけ、つっきー) (一時間目は東城先生の数学じゃ) (ゲッ!また変人じゃん!!) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ え?創作っ子?レギュラー顔ですけど何か?← ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/01/06 管理人:かほ