所変わって、こっちは男子の体育の様子。 モノローグはに変わって俺、木更戯清が努めます。 「ん?一人多いな。」 鳳仙先生がいつものように出席を取っていると、 元々寄ってる眉間のしわをもっと寄せてそう唸った。 これに学級委員の小太郎が答える。 「鳳仙先生、多いんじゃありません、元々この人数だったんです。」 「おぉ、登校拒否だった巳厘野か。元気そうだな。」 「全然元気じゃありません。朝からまさかの大量出血です。」 鳳仙先生の言葉に、頭に包帯を巻いた道満が冷静に返した。 コイツこんなんで体育出来んのか? 「巳厘野さん、本当に大丈夫ですか?」 「心配はいらん。ただのかすり傷だ。」 「その割には気絶してたけどな。」 「気絶などしておらん。あれは心頭滅却していたのだ。」 「意識を完全に手放す心頭滅却なんて聞いた事ないですよ。」 ランニングの途中でぱっつぁんと道満と俺はそんなことを話していた。 俺たちの先頭では風紀委員の奴等が勲を中心に号令をかけている。 元気に号令をかけてくれているのはありがたいのだが、 数字の途中でお妙という単語が聞こえてくるのは俺の気のせいだろうか。 「む、そう言えば先ほどから長谷川が見当たらんが……。」 俺の後ろを走っていた小太郎がキョロキョロと辺りを見回す。 「あぁ、泰三なら出席を取ってもらった瞬間どっか行ったぞ。」 「何?清、貴様なぜそれを見逃した!」 「いや、だって今月マジでヤベぇって言ってたし……。」 「そう言えば、今日仕事見つからなかったら俺死ぬわとか言ってたような……。」 俺と小太郎の会話に、新八がそう言ってちょっと青ざめた。 「フン、貴様等は相変わらずのようだな。」 「君はちょっと鈍ったんじゃないかい、巳厘野君。」 「……ッ!?伊東!」 俺たちの前を走っていた鴨太郎がせせら笑うかのように道満にそう言った。 道満は1年の時この鴨太郎と犬猿の仲だったから、 今回もきっとそんな感じであぁなるんだろうなぁ、と心の隅の方で感じとった。 「鈍っただと?俺のどこが鈍ったと言うんだ? 行っておくが、学校に来ていなかったというだけで 鍛錬は毎日欠かさず行っていたぞ。」 「おや、その割にはもう息が上がっているじゃないか。」 「何!?上がってなどおらん!!」 「それはどうかな。まぁ僕は平気だけど。」 鴨太郎の言葉にカチンときたのか、道満が鴨太郎よりちょっと前に出た。 それを見てまた鴨太郎が道満のちょっと前に出て、 それにまたしても道満が鴨太郎のちょっと前に出て……。 「おいおいおい、アイツ等まさかベタな行動に出る気じゃねぇだろうな。」 「いや、清さん、そのまさかです。」 抜いては抜かれ、抜いては抜かれを繰り返しているうちに、 鴨太郎と道満は思いっきり全力疾走でランニングをし始めてしまった。 勲を追い抜いた時点で十四郎が怒って 『ゴルァ隊列を乱すなァァァ!!!!!』と注意したが、 そんなもんあの2人に聞こえているはずもなく、2人はどんどん遠ざかっていく。 「あの2人負けず嫌いでプライド高いからなぁ……。」 「大丈夫ですかねあれ。鳳仙先生に怒られないかな……。」 「大丈夫そうだぜ新ちゃん。鳳仙先生嬉しそうな顔でうんうん頷いてるもん。 あぁこれこそ青春だ!みたいな顔で喜んでるもん。」 「ウチは自由か……。」 この後、約2名がブッ倒れて体操出来なかったのは言うまでもない。体育は戦争だ!
(がはははは!!2人とも元気があって良いことだなぁ!!) (近藤さん、こりゃ怒るべきトコだぞ。アンタがしっかりしてくれなきゃ困る) (土方さん、俺はアンタが生きててもらっちゃ困るんですがねィ) (俺に一体どーしろってんだゴルァ) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 基本夢小説とか考えずに書いてるので自由です。 ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/01/21 管理人:かほ