しょうせつ

まだまだ引き続き男子の体育の中継です。
体育が始まる前、が小声で
『この回でキャラ紹介終わらせようぜ!』とか何とか言ってた事は秘密です。

「それではこれから前回の授業同様、2チームに分かれてサッカーを行う。
 各チーム10分間のチーム練習をした後、試合開始だ。」

鳳仙先生はそう言うと消えかかっているラインを上からなぞり始めた。
俺は今まで一緒に居た新八たちに別れを告げ、同じチームの風紀委員組と合流する。

「よし、じゃあオフェンスはトシと晋ちゃんだな!」
「ちょっと待ってくれよ近藤さん。俺はコイツと組むなんて御免被るぜ。」
「俺だってテメーと力を合わせるなんざまっぴら御免だな。」
「なんだとコノヤロー。やんのかコラ。」
「上等じゃねぇか。」

近藤さんの作戦支持に十四郎と晋助が
いつものように睨み合って喧嘩を始めてしまった。

「まぁまぁ、2人とも落ち着けって!
 どうせ同じチームなんだからポジションがどこでも同じだろー?」

その間に割って入って俺が笑顔でそう言うと、
2人とも同時に『ケッ、』と言ってそっぽを向いてしまう。
お前等、実は仲良いんじゃねーのか?(なんて、口が裂けても言えないけど)

「清の言うとおりだぞ!同じクラスの仲間じゃないか!」
「「「「こんな奴仲間じゃない!!!!」」」」
「うん、分かったからお前等4人声そろえるの止めろよ怖いから。」

晋助と十四郎、鴨太郎と道満が近藤さんの言葉に仲良く抗議する。
その様子に俺は苦笑いでツッコみを入れる。
隣では退が頭を抱えていた。

「近藤殿!!!!女子が100m走を始めたでござる!!」
「何ぃ!?それは本当か河上ィィ!!」
「真でござる!!ほら!志村姉が走っていて、殿がその次でござるよ!!」

険悪な俺たちの空気を見事に打ち破ったのは、
やけに興奮している万斉の声と、それに応える勲の声だった。
2人の行動に、3Z全員が『またか』という顔をした。

「ぬおおぉぉ!!!!おっ妙さァァァん!!!!!」
「殿ォォォ!!!!
 走っている姿も萌えでござるぅぅぅ!!!!!」

この2人はストーカー仲間だ。いや、変態仲間かもしれない。
勲が志村の、万斉がのストーカー。
達は非常にウザがっているが、変態はペンよりも強し。
ちょっとやそっとの事では一向に落ち込む気配を見せない。
それどころか、全然構ってもらえないため、
そのアプローチ方法は日に日にエスカレートしているようにも見える。

「……本当に貴様等は相変わらずなんだな。」
「言うな。俺たちだって近藤さんには頭抱えてんだよ。」

道満のツッコミに、十四郎が本当に頭を抱えてそう言った。

「おいおい、んなこと言ってたらまた神威が本気出して負けちまうぞ。」

俺は前回の授業を思い出して万斉に話しかけた。
前もこんな風に2人で女子の方に向かって叫んでいたのだが、
それを聞いた神威が『俺のに慣れ慣れしいから殺しちゃうぞ☆』とか言って
ボールを人めがけて本気で蹴ってくるから負傷者がかなり出た。
そのせいで俺たちのチームはボロ負けしたのだ。

「勝負の勝ち負けよりも殿のブルマでござる!!!!!」
「勝負よりもよりもまずは自分の鼻血をどうにかしろ。」

駄目だコイツ等。話が通じない。
俺は鼻血をダラダラ流す勲と万斉を見てそう思った。
そして、俺たちのチームは神威がまたキレた事によって
数名の負傷者を出してボロ負けとなってしまったのだった……。




聖戦という名の身勝手な争奪戦

(は俺のものだってば) (何を言うか神威殿!殿は拙者のジャスティス!!!!) (は君達の所有物じゃないんだから、そういう言い方は止めないか) (そういうお前も涼しい顔しての事狙ってんだろ?) (あーほらほら晋助、鴨太郎の胸倉つかむなー) (転校しよう……) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ みんな仲良し(ウチの)3Z! ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/01/21 管理人:かほ