しょうせつ

それはある日のHRでの出来事。
銀八先生がちゃんが何か話があるらしいと言い出し、
その言葉を待ってましたと言わんばかりにちゃんが前に出てこう叫んだ。

『みんな!とうとうヨソウチが30000HIT達成したよ!!』

満面の笑みで言うちゃんに、クラスの全員がほんわり笑顔になった。
僕、志村新八だって例外ではない。
だって、ちゃん、可愛すぎる……。(へらっ)

「勿論、俺のおかげだよね?」

ちゃんの言葉に神楽ちゃんのお兄さんが平然とそう言った。

「いやいや、拙者の功績でござる。」
「テメー短編小説一個しかないくせによく言うな。」
「そう言う銀ちゃんだって一個しかないアル。」
「拙者は確かに短編1つしかないが、晋助は1つもないでござる!!」
「ちょ!万斉君それ禁句!!!!(汗)」

僕は万斉君の言葉で明らかにイラッとした高杉君を横目に
冷や汗を流しながらツッコんだ。
高杉君の隣の席では同じく1つも短編小説がない桂君がやるせない顔をしている。

「まぁまぁ、次元の低い争いはみっともないよ?
 俺なんて短編も多い上に連載まであるけどね。」
「でも君は阿伏兎先生に負けているじゃないか。
 短編小説でも阿伏兎先生が一番多いし、
 連載だってついこの間ハッピーエンドで完結したよ?」
「何なの伊東。ボッコボコにされたいの?」
「いや、僕はみっくみくにされたい。」
「ネギ繋がりで?」
『鴨太郎……。』

伊東君が真顔でとんでもない事を言うもんだから、
前で2人の喧嘩を聞いていたちゃんが非常に残念そうな顔をした。
伊東君、いつの間にそんなキャラ(ボケキャラ)になったんだろう……。
ちなみに僕はルッカルカにされたい。

「ちょっと皆、そんな短編小説の話で盛り上がっても仕方がないわよ。」

急に姉上が非常に穏やかな声を発した。
するとそれに便乗して近藤さんもガタッと立ち上がり叫び出す。

「そうだぞ皆ァァ!ウチの管理人は人気キャラが嫌いなんだ!天邪鬼なんだ!!
 トシ、総悟、桂、高杉という大人気キャラに手をつけず、
 マイナーキャラにばっかり手を出す傾向にあるんだ!
 だからウチで数が少ないということは大人気という証なんだ!
 皆ァァ!ポジティブに考えよう!!」
「アンタはネタ帳に自分の連載があるからそういう事言えるんだよ。」
「土方さんはともかく、俺は前に連載ありやしたよ。凍結したけど。」
「俺はどっちでも人気あるよ。」
『神威は黙ってようね。』

僕の後ろに席を連ねている真選組(今は風紀委員)がやいやいと騒ぎ出した。
神楽ちゃんのお兄さんがそれに水をさしたり、
ちゃんがそれをなだめたりしているけれど、僕は知っているんだ。
話にも入れない山崎さんが、隣の席のたまさんに慰められていることを……。

「ぎゃーぎゃーうるせーぞテメー等。今回のHRの議題はそこじゃねぇんだよ。」

今まで煙草をふかしていた銀八先生が急にクラスに向かってそう言い、
ビシッと一番後ろの席の道満君を指差した。

「今後の危険因子はそいつだ。」

その言葉にクラスが一斉に道満君の方を向き、
当の本人は冷や汗を流して「え゛っ?俺!?」と慌てていた。

『銀ちゃん、危険因子って?』
「ウチの管理人なぁ、陰陽師編後やけにそわそわしてやがんだよ。
 アニメ見るたびにそわそわしてやがんだよ。
 隣のクラスの晴明とそこの道満にやけにそわそわしてんやがんだよ。
 ネタ帳にはもう陰陽師ネタが満載なんだよ。おかしいだろ?」

銀八先生がちょっとイライラしてそう言った。
すると伊東君、沖田さん、神楽ちゃんまでもが鬼の顔で道満君を睨みつける。

「そう言えば、君はもう既に短編が1つあるんだってね……。」
「晴明の声グリリバかいぃぃ!!ってやけに騒いでたなァ……。」
「陰陽師連載のネタもあるらしいアルよ……。」
「なっ……何だ貴様等。落ち着け、とりあえず話し合おう。」

じわじわとにじり寄るクラスメイトに、道満君が顔を引きつらせながらそう言った。
その様子にちゃんと清さん、そして僕が呆気に取られる。

「ちょまっ、晴明はどうした!!アイツも同罪だろう!!」
「だって隣のクラスだし。」
「何で俺だけなんだ!!ちょ、ストッ……ぎゃああぁぁぁぁぁ!!!!!」

道満君の叫び声は、チャイムの音にかき消された。




30000HITありがとうございますっ!

(わぁ!道満君ったらもう皆と仲良くなったんだ!) (いや……あれ仲良いか?) (転校しよう……) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 本当にありがとうございます! ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/02/14 管理人:かほ