しょうせつ

『ちょっと銀ちゃんいい加減にしてよ!アタシ早く部活行きたいんだけど!!』
「伏せろォォォ!!!」

私が痺れを切らして隣のクラスに押しかければ、急に叫び出す銀ちゃん。
その声に私が『え?』と言うのが早いか、
私のすぐ隣を紙切れのようなものがすり抜けるのが早いか。
とりあえず分かっている事は、私の頬から血が出ているという事だけだった。

「ちゃん!?」
「誰アルか私のを傷物にした奴ァァァ!!!!!」

私が呆然と立ち尽くしていると、
ついて来てくれたお妙ちゃんと神楽ちゃんが叫んだ。
その声に3Zの皆が廊下に出てきたり私に駆け寄ったりしてくれる。

「ちゃん大丈夫!?」
『あ、うん。なんとか……。』

まず初めに声をかけてくれたのがぱっつぁん。
その後退とか原田さんとか九ちゃんとか、
比較的普通の子達が私の心配をしてくれた。

「ちょっと誰?俺のを傷物にした奴。」

その後私達の後ろからゴキゴキと首を鳴らしながら教室に入っていったのが神威。
ってかコイツさっきの神楽ちゃんのセリフと全く同じ事言ったんですけど。
やっぱりこの2人は兄妹なんだなぁ……。

『あ、ちょっと神威、喧嘩はダメだよ?』
「神威殿。その言葉は聞き捨てならんでござるな。
 殿は拙者の未来の妻でござる。」
『え、ちょま、万斉!?
 色々ツッコみたいけどとりあえずその手のギターは何!?凶器!?』
「おいおい、皆勝手が過ぎるぜ。は俺の下僕でィ。」
『総悟に至っては真剣んんん!!!!!』

私は教室に入っていった色々物騒な3人を止めるべく、
自分も教室に入って3人を通せんぼした。

『よ、よそのクラスに迷惑かけちゃいけません!』

私が3人の前でそう言えば、3人とも一瞬ひるんで歩みを止めた。
これでこれ以上教室に踏み込もうとはしないだろうと私が安心した瞬間、
私の後ろに立っていた銀ちゃんが
『俺の大丈夫かァァァ!?』と叫んだため、事態は振り出しに戻った。

ちょっ、おまっ、何してくれてんのォォ!?(声にならない)

「おい貴様!ウチの妹に手を出した上、
 今度は他の女生徒にまで手を出そうというのか!」
「えっ?あぁ、違うんだよお義兄たま君。コレ誤解。」
「誰がお義兄たま君じゃ!!!!」
「じゃあたまたま君。」
「わしは猥褻物かァァァ!!!!」

銀ちゃんの言葉に力の限り叫んでいるあの人、
初めて見るから噂の転校生なんだろうけど、
ちょっと鴨太郎と鷹久さんに似てるかも。
って言うかこのクラスの転校生はツッコミ要員なんだ……いいなぁ。

そんな事を思いながら私は
たまたま君(仮)の後ろに居る女の子に視線を移し、驚きのあまり絶句した。
あれ!?まさかあれって……!!!

『お目覚めテレビの結野アナァァァ!?』
「あら、えぇっと……。」
『アタシ木更戯って言いますー!!
 うっわー!アタシ超ファンなんですーvv』
「まぁ、ありがとう。」

私が興奮気味に結野アナに近づいて手を握れば、
結野アナは一切嫌な顔もせず私に笑いかけてくれた。
ぎゃぁぁー!!可愛いぃぃー!!
生で浴びるこの100万ドルの笑顔に私は溶けてしまいそうであります、閣下!!!!

『凄ぇー!!生だ生!!もしかして銀ちゃん結野アナ見に来てたの!?
 じゃあいいよ許すよHRなんてしなくていいよ!!』
「いや駄目だろ。」
「ほらちゃん、帰るぞ。」
「銀八先生もさっさと帰りますよ。」

きゃーきゃーと黄色い声で騒ぐ私にトシが冷静なツッコミを入れて、
私は原田さんに、銀ちゃんは退とぱっつぁんに引きづられ、
Z組に強制送還させられてしまった。

「結野アナァァ!!!!国語は俺の担当だからねー!!」
『きゃっほう!明日から絶対このクラスに顔出そー!!』

私の言葉に、このクラスの男子がざわめいた気がした。




一年間を共にする仲間たち

(何だったんじゃ、あの教師と女生徒は……) (うふふ、あの女の子可愛かったわね) (あぁ、非常に可憐な……って、何を言わせるんじゃクリステル!!!!) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ なんとか基本設定と生徒は全部出せたんじゃないかな! ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/02/21 管理人:かほ