『なんだぁ。清と鴨太郎は保健室送りになった人たちの介抱してたんだぁ。』 波乱のHRが終わり、私達は今部活に来ていた。 私達が入っている部活というのは、近藤さんが部長を務める剣道部。 と言っても、さっきの体育の時間に神威が暴走したせいで、 その近藤さんは不在なんだけどね。 代わりに副部長のトシがみんなをまとめてるけど、 現在トシはミントンしてた退をお説教中。 その間に私は清と鴨太郎から体育の時間にあった出来事とかを聞いて、 私は清たちにHR前に起こった出来事なんかを話したりしていたのだ。 『近藤さん大丈夫なの?』 「あぁ、心配ないぜ。 志村が今日用事で部活休むって聞いた途端咳き込みだしたから。」 「きっと今頃学校の外でストーカー業にでも勤しんでいるだろうさ。」 『アンタ等止めなさいよ……。』 さも当たり前のことのように言う2人に、私は呆れたため息をついた。 『そう言えば、巳厘野君も居なかったけど、やっぱり神威に虐められたの?』 「いや、彼は持病の痔が悪化しただけだよ。」 『Σ持病の痔!?』 「神威は基本的に弱いもの虐めはしねーからな。」 『えっ、じゃあ巳厘野君が登校拒否になったのって神威のせいじゃないの?』 「誰情報だそれ……。」 私の問いに清が呆れたようにそう言った。 「彼は僕のせいで来なくなったんだよ。」 『えぇ!?鴨太郎虐めっ子だったの!?』 「ち、違うよ!僕が兄の手術の為に学校を一週間休んだら、 いつの間にか来なくなってしまっていたんだ!」 『なんじゃそりゃ。』 「まぁ、アイツもしつこい性格だからなぁ……。」 ここでトシの練習再開の号令がかかり、 2人とも練習に戻ってしまったので詳しい事は聞けなかったけど、 とりあえず神威の虐めが原因じゃなくて良かった。 もしそうなら一発殴ってやろうかと思っていたけど、 それはやっぱり怖いので出来れば違っていて下さいと願った私、助かった。 『じゃあ栗子ちゃん、一緒にドリンク作りに行こっか。』 「はいでござりまする。」 私はそう言って、同じマネージャーの栗子ちゃんと一緒に剣道場を後にした。 剣道部のマネージャーは3年の私とお妙ちゃん、 そして1年生の栗子ちゃんの計3人が在籍している。 時々神楽ちゃんが遊びに来たりするけど、基本的にはこの3人だけだ。 まぁ剣道部は人数がそれほど多いわけではないし、 3人でも十分機能してるからいいんだけどね。 『えぇっと、今日はどれくらい作ったらいいかな?』 私は持ってきたタンクを水飲み場の所で地面に下ろした。 剣道部はタンクからセルフでお茶を汲む制度を導入しているので、 マネージャーからしたらドリンク作りが大変楽チンだったりする。 サッカー部とかが1人1個ドリンクを作っているのを見た時なんかは 剣道部のマネージャーはかなり幸せ者だなぁとしみじみ実感する。 私達は持ってきたコップでお茶の袋をチャプチャプしてお茶を作り、 それをタンクに入れるという作業を繰り返しながら談笑していた。 栗子ちゃんが話す内容は主にトシについての話だけど、 時々とっつぁんの家での話なんかも出てきたりして非常に面白い。 今日アタシのツボに入ったのは、とっつぁんがアイフルのCMを見て 悶えながら「俺はこんなもんに負けぬぇぞぉぉう」と叫んだという話だ。 『よいしょっと。こんくらいかな?』 「はい、これくらいでいいと思いまする。」 私が尋ねると、栗子ちゃんが可愛らしく返事をしてくれた。 これでトシ馬鹿じゃなかったら普通の可愛い女の子なのに……。 世の中って上手く出来てないもんだなぁ、と私はため息をついた。 そしてその後タンクの蓋を閉め、2人で仲良く持ちながら剣道場へと歩き始めた。平和な一時
(それでマヨラ様ったら、一時間目から教科書忘れて大慌てだったのでござりまする) (うん、いっつも思うけど栗子ちゃんそれどうやって見てんの?) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ やっとこさ普通のお話に戻れた気がします。(しかし名前変換がないという失態) ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/02/21 管理人:かほ