しょうせつ

「「「がバイトォ?」」」

ある日の休日、銀ちゃんと神楽ちゃんと神威の声が綺麗にハモった。
そして先ほどから『笑ってよきかな』が流れていたテレビを消し、
銀ちゃんがテーブルから身を乗り出してトシに尋ねる。

「多串くん、それマジ?」
「あぁ。しかもメイド喫茶らしいぜ。」

トシはまるでとても重要な事を話すかのように声を潜めてそう言った。
その恰好はまるで某エヴァの司令官のようだ。
それに3人が『えぇ!?』とオーバーリアクションをする。

「メイド喫茶?じゃあ何?がメイド服着て接客するの?」
「ったりめーだ!!メイド喫茶だぞメイド喫茶!
 どうだ神威、俺と一緒に行かねーか?」
「何を野暮な事を。勿論行くよ。
 のメイド姿が拝めるんだもん、是非とも見に行かないとね。」
「そーだよな!!神威なら分かってくれると思ったでござる!
 あっやべトッシー出てきた。」

女子からしたら相当最低な話で盛り上がるトシと神威。
その後も話はヒートアップし、神威のせいでどんどん濃い話になっていく。
(少し聞こえただけでも『店内では服従プレイ』という単語があった)
それにトシはどんどんトッシー化してきて、
仕舞いには完全にトッシーと化し、最低トークに華を咲かせていた。

「男共キモいアル。私のをそんな汚れた目で見ないでヨ。」

それを軽蔑の目で見ながら神楽ちゃんがそう言った。

「何だよ神楽。お前はのメイド姿見たくないの?」
「私は見ようと思えばいつでも見られるネ。」
「くぁー!!いいでござるなぁ女の子同士って!!」
「黙るアル腐れオタクが。」

神楽ちゃんの軽蔑の目がさらに冷たさを増した時、
『でもよぉ、』と気の抜けた銀ちゃんの声。

「あのが自分からメイド喫茶なんかで働くかー?」
「間違いないでござる!確かな筋から仕入れた情報でござるからな!」
「だいたい何で多串君が知ってんだよ。俺は納得いかねぇなぁ。
 は何かあったら絶対に銀さんに相談しに来るもん。」
「妄想も大概にしろヨ天パ教師。が真っ先に相談しに来るのは私ネ。」
「いーや、俺だよ。ちょっと優しく脅したらすぐに相談してくれるもん。」
「いやそれは相談じゃなくね?」

ガヤガヤと下らない(しかも妄想の域を超えない)言い争いをする4人。

「分かったでござる!!そこまで言うなら、本人に直接聞くでござる!!」

ついに痺れを切らしたトッシー(完全体)が
テーブルをバンッと叩いてぐるりと3人を見回してそう言った。
すると、銀ちゃんがお茶を持って部屋に入ってきた私の方を見て
「あ、丁度いいところにが。」なんて言ってくる。
私は一度ため息をつき、冷静にこう返した。

『うん、まずここアタシの家だからね。

ご利用は計画的に

(アンタ等さぁ、そういう話は普通本人が居ないトコでやらない?) (細かい事を気にしてたらシワが増えるよ、) (アンタはもうちょっと脳みそのシワが増えた方がいいんじゃない、神威) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 連載の中の長編みたいなの始動! ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/03/13 管理人:かほ