『分かんないの、何もかも。』 ふいにがそう言った。 『アタシは生きてていいのかなとか、 アタシの言動は一体どれくらい正しいのかなとか、 アタシは誰のものに成る予定だった酸素を吸っているんだろうとか、 死んだらアタシはどうなるんだろうとか。』 久々の平和な夜に一緒に星を見ようだなんて言い出したから、 どうかしたのかとは思ってはいたが、存外意外な言葉だった。 ぼんやりと遠くを見つめながら無感情にそう言ったは、 可愛いよりも、儚いよりも、怖かった。 まるで最後まで話を聞いたら消えてしまいそうな程に。 『アタシの意味ってなぁに?アリさん。』 三角座りをしながらはたまたま道で見付けたアリに問いかける。 アリはの様子なんてお構いなしで、自分の巣に餌を運ぶのに必死だ。 『アリさんは気楽でいいねぇ。』とがぼんやりと呟いたのが、 まるで最期の言葉のように聞こえて、俺は思わずを抱きしめた。 『あ、阿伏兎さん……?』 急に抱きしめられたは、案の定訳が分からないという表情で俺を見る。 戸惑っている顔も、ちょっと照れている声も、 このまま放っておいたらすぐに消えてしまいそうで、怖かった。 「……俺のそばに、居ることだろ?」 『え……?』 見開かれた大きな目が俺を見る。 「お前が存在する理由は、俺の傍にいる事だろ?」 こんな恥ずかしい台詞を言っている自分に心底驚いた。 言われたなんて、照れるのを忘れて呆け顔だ。 それでも、コレを言わなければが今にも消えてしまいそうで、 今のまま抱きしめていると、バッと塵になって壊れてしまいそうで、 俺はの存在を確認しながら喋り続ける。 「お前が存在するのは、俺が望んでるからだ。 お前が吸ってる酸素は、俺が与えたもんだ。 お前が間違っていたら、俺が正しい道へと引きずり出してやる。」 『あ、阿伏兎さ……。』 「俺達はもうそーゆー仲だろ?」 ふ、と笑いかけてやると、の顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。 あぁ、やっとコイツにも色がついてきた。 酷く安心して、今度は自然と顔がほころぶ。 それにまた一段と紅くなったが、目に涙をいっぱい溜めて、 それを見られまいと俯いた後、震える声でこう言った。 『……っ、ばかぁっ……!』 言うと同時にがギュッと俺に抱きつく。 俺はそれを無言で抱き返してやった。 今度は消えてしまいそうにないから、その存在を二度と離さないように、強く、強く、ギュッと
(阿伏兎さん大好き!) (はいはい) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 何かね、阿伏兎がどんどんお父さん的な存在になってくんだけど、 こんな傾向でいいのかな?ってかキャラ崩壊にも程があるよママン!!!!!orz ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2008/11/05 管理人:かほ