『ねぇ、阿伏兎さん?』 俺と一緒に溜まりに溜まった書類を片付けながら、ふいにが口を開いた。 いつもなら作業の手を止めての話を聞いてやるのだが、 現在俺は春雨の金銭関係の書類を片付けにかかっていて、 コーヒーを飲みながら無い頭をフル活動して暗算中だったりする。 「今ちょっと計算してるから後でな。」 こんな具合に俺はに返事をして、また暗算を始めた。 今月はウチの出費が多いな……何でだ? 『いや、聞いててくれるだけでいいんですけど。』 が喋り続けているが、もちろん俺の頭には入ってこない。 35万8千円……?これは何の出費だ?一体何に使ったっけか。 『団長はいっつも言ってくるから丸分かりなんですけど……。』 俺はまた一口コーヒーを飲む。 駄目だ、この莫大は出費が何なのかさっぱり思い出せねぇ。 『阿伏兎さんは顔に出ないから全く分からなくて。』 この時点で十中八九団長のせいであると推測できた。 俺は持っていた赤ペンで『35万8千円』を囲む。 『阿伏兎さんって、アタシを襲ってみたいとか思ったことあるんですか?』 「ブフッ!!!!!」 あまりにストレートなの言葉が耳に入り、 俺は飲んでいたコーヒーを盛大にぶちまけた。 とっさに顔を背けたので、書類はなんとか無事だった。ナイスだ俺。 「ゲホッゲホッ!!おっ、お前はいきなり何を……!!!!!」 『ねぇ、どうなんですか?』 「……ッ!?」 はムスッとした顔で俺に詰め寄ってきた。 もし俺が腕で噴いたコーヒーを拭っていなかったら、簡単にキスが出来る距離だ。 上目遣いで俺を下から覗き込んでくる。 いやいやいや、反則だからその角度。谷間見えてるからちゃん。 「な、何だいきなり……さっさと離れろっ。」 『嫌です!答えを聞くまで離れません!』 俺が顔をそむけ、後ずさりしてから離れようとすると、 はさせまいと俺の上に馬乗りになってきた。 いやいやいや。流石の俺でもそれは駄目だってちゃん。 オジサンの理性は簡単にブッ飛んじゃうんだってばちゃん。 「や、止めろ……一体何だ。」 『……阿伏兎さんが、いつまでもアタシを子供扱いするからですよ。』 先ほどから不機嫌な顔をしていたので何が不服なのかと思っていたが、 なるほど、どうやら自分をちゃんとした女としてみてほしいと。 確かに最近『子供扱いしないで下さい!』と言うようになった気もするが、 子供扱いすることで理性を保っていた俺としては 『ちゃんと女扱いして下さい』という申し出は相当キツいわけで。 現にこうして馬乗りされている俺(と言うかもう一人の俺)は爆発寸前だった。 「な、何だ、お前、襲ってほしいのか……?」 『べっ、別にそんな訳じゃ……!!!!』 「ならそこを早く退け。俺も男だ……本当に襲っちまうぞ。」 『……ッ。あ、阿伏兎さんがそうしたいなら……アタシは……。』 そっと、遠慮がちに肩に添えられるの細く白い手。 今まで逸らしていた目をに向けると、俺を挑発的に見つめるが居た。 ……しまった、ハメられた。 俺はしてやられた悔しさでまたから目を逸らす。 チクショーこのガキ。生意気に俺を誘惑するつもりだな。 はぁ……だいたいおかしいと思ったんだ。 いつもなら書類は自分の部屋でさっさと片付けてくるのに、 今日に限って一緒にやりましょう、なんて。 それに、いつもカッチリと団服を着ているのに、 今日はタンクトップの上に簡単に羽織っているだけだった。 この時点で気づけば良かったんだ…………あぁ、俺の馬鹿野郎。 『阿伏兎さん、もう理性が限界でしょ?でしょ? いいんですよ?アタシ、本当に……阿伏兎さんなら……。』 熱っぽい声でそう言われ、今度こそ理性が吹っ飛びそうになった。 そして、右手で左肩に乗せられていたの手を乱暴に掴んで、 ちょっと力を入れると、は簡単に俺に押し倒された。 『いった……!あ、あぶと、さん……!』 「……が、悪ぃんだからな……。」 俺が少し睨んでやると、はえへへ、と悪戯っぽく笑う。 やっぱりか、このマセガキめ。そう言ってやろうとしたが、 そのマセガキに誘惑されたのは他でもない、この俺だ。 救いようが無いエロオヤジだと自分を罵りながらも、 俺とは視線を絡ませ、ゆっくりとお互いの唇の距離を近づけていった。 続く .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ エロかと思いきや全くそんな訳が無いギャグ小説さ!(ぁ) さぁ、ヨソウチ史上最悪の下ネタ小説の始まりだよ!orz ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2009/02/18 管理人:かほ