『あっ、あぶ……。』 「……。」 の目が閉じられ、俺も目を閉じようとした、まさにその時。 「たっだいまー!阿伏兎ぉ、また取引先の人間殺しちゃったよ。」 勢いよく開け放たれた扉と、元気よく現れた団長の声。 「オレ大人しくと遊んでるからさぁ、 阿伏兎また元老のところに謝って……来て……よ……。」 『だっ、団長……タイミング最悪……。』 「あ、えっと、これは……。」 ドカドカと部屋に入ってきたかと思うと、 俺たちの状況を見た団長の時間がピタリと止まる。 もちろん、俺たちの時間も瞬間的に止まってしまっていた。 「……あぶと、なにしてんの?」 団長が殺意のこもった声に反する素敵な笑顔で俺を見据える。 あぁ駄目だ……俺、確実に殺される……。 何だろうコレ、俺何か悪いことでもしたか? いや、海賊だからそりゃ結構悪いことはしてきたが、 それでもとのお楽しみを邪魔された被害者だぞ俺は。 それなのに団長からのこの殺気……理不尽すぎる。 「何って……いや、あの……。」 『あ、あのっ、違うんです!!コレはアタシが誘って……!!!!』 「へぇ、阿伏兎ったらに誘われたんだ。 羨ましいねぇ?俺、嫉妬のあまり大暴れしちゃいそうだなぁ。」 俺とはとっさに顔を見合わせた。 ――ここに居たら殺される!!!!! アイコンタクトでそう会話した俺たちは、 とりあえず命がけでこの部屋から逃げることに決めた。 『団長ぉ!ごめんなさぁい!!』 まずが団長に抱きつき、その間に俺は扉へと全力疾走。 団長が急に抱きついてきたに戸惑い、一瞬動きを止めたので、 すかさず俺が後ろから頚椎の神経系を攻撃した。 流石の団長もこれは効いたらしく、その場にガクッ、と片ひざをついた。 「あぁ……これ絶対に殺されるぞ……!!!!!」 『言ってる場合ですか!!こっちです!!』 団長の動きが一瞬止まったので、今度はが俺の方に全力疾走。 そして、膨大な殺気を閉じ込めるようにして部屋の扉を閉め、 俺はの誘導に従い、館内の廊下を全速力で駆け抜けた。 数秒経った頃、背後から凄まじい破壊音が響いて来た時は 流石の俺も本気で人生が終わったと思った。 まぁ……その時にはすでに俺とは安全な場所に居たんだが。 「……で?何で女子トイレ?」 『だって、団長を撒こうと思ったらココしか思い浮かばなくて。』 確かに、女にしかとっさに思い浮かばない隠れ場所ではあるが、 それでもここは先ほどのフロアのたった一つ下のフロアで、 一応端っこではあるがこの広い艦内でたった3つしかない女子トイレだ。 考えれば考えるほどすぐに見つかりそうな気がして、 俺は嫌な冷や汗が止まらなかった。 『大丈夫ですよ。団長の頭じゃ、こんな所すぐに思い浮かびませんし、 浮かんだとしてもまさか阿伏兎さんが迷わず入るなんて思いません♪』 「、俺すっごいダメージ受けてるんだけど。」 何のフォローのつもりなのか、笑顔で言うに小さなため息をつく。 すると、何かが俺の腰に巻きついた。 いや、勿論その正体はこの狭い女子トイレの個室に 一緒に入っている以外に居ないのだが。 「……何だぁ?まさか、まだ盛りてぇのか?」 『盛るだなんて、やらしい言い方しないで下さいよぅ。』 むぅ、と可愛い顔で俺を見上げるの上目遣いに、 またしても俺(と、もう一人の俺)は爆発寸前まで追い込まれた。 「言っておくが、手加減なんてしねぇぞ。」 『ヤだっ、阿伏兎さんったら激しいプレイがお好みなんですか?』 「茶化しても駄目だぜ。後悔させてやるからな。」 『阿伏兎さんなら、喜んで……。』 俺たちは、先ほどお預けされたキスを仕切りなおした。 初めてなので簡単に唇を重ね合わせただけで、 数十秒も経たないうちにゆっくりと重なっていたものを離してしまった。 それでもこんなオジサンを誘惑するの目は変わらず、 俺は深い深いため息をついた。 「……はぁ、全く、仕方がねぇなぁ。」仕切り直すか、トイレだけど
(まさか初めてがトイレで、だなんて……) (言っとくが、俺が変態なわけじゃなくお前のせいだからな!) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 下ネタで微エロで変態でギャグなんて……。 今までで一番最低なんじゃないだろうか? ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2009/02/22 管理人:かほ