「、俺のことをどう思っているんだ?」 『…………は?』 それはさながらラブ・ストーリーは突然に並みの勢いだった。 あまりにも急に話を持ち出されたもんだから、 言われた本人である私を筆頭に、隣でお茶を飲んでいた外道丸とクリス姉さん、 そして茶菓子を運んできた晴明が一斉に口をあんぐりと開ける。 『いや……どう思ってるとは?』 「そのままの意味だ。俺と許婚であったとしても、 お前の気持ちが他に向いていたら結婚しても意味がないだろう。」 『あ、あぁ……そういう意味……。』 あまりにも真剣に言う道満に、私は呆気にとられながらも状況を理解する。 『心配せんでも嫌いやったら結婚なんかせぇへんってば。』 「その答えでは納得出来ん! 嫌いではないが好きでもないという可能性も大いに在り得るからな!」 『そ、そんなわけないやろぉ!?アタシのこと信用出来へんって言うん!?』 「そうではない!ただ、今ここでハッキリとお前の口から 俺のことを愛していると聞いておきたいだけだ。」 相当恥ずかしい言葉を微塵の恥ずかしげもなく言ってのけた道満は、 相も変わらず真っ直ぐに私を見つめて私の答えを待っていた。 目の端に外道丸がビデオカメラを持っている姿が見えたけど、 今はそんなものを振り返る余裕なんて何処にもありはしなかった。 何で急にこんな事を言い出したんだろうコイツ……。 そりゃ確かに、今まで道満に向かって ちゃんと好きって言った事はなかった気がしないでもないけど……。 いや、確か小さい頃に一度だけ 『道満ちゅき!あたし道満と結婚するー!』って言った記憶があるぞ? あれはノーカンなのか?小さい頃だからノーカンなのか? 「俺はが大好きだ。心の底から愛している。」 『なッ!?いいぃいいきなり何を……!!!!』 「はどうなんだ?今でも俺と結婚したいと思っているのか?」 『そっ、それは……。』 道満が真剣な顔で訊いてくるもんだから、 私は恥ずかしくて道満から顔を逸らして俯いてしまった。 ヤバい、私絶対に顔真っ赤になってる……超恥ずかしい……。 押し黙ってしまった私に、その場に居た全員の視線が突き刺さる。 ってか晴明とクリス姉さん人のことジロジロ見すぎだかんな! 何この人たち!苺大福頬張りながら人の会話鑑賞してんじゃねぇよ! 「。」 『…………〜ッ。』 3人の視線なんて気にもしないで(いやむしろ気づいてないのかも)、 私の名前を優しく呼びながらゆっくりと顔を近づけてくる道満。 その整った顔を私に近づけるな、余計に喋れなくなるだろーが! でもそんな言葉さえ口に出すことが出来ず、 私は真っ赤な顔をして道満にしか聞こえないくらいの声で呟いた。 『い、一回だけしか言わへんからな……。』 「あぁ。」 『…………っ、道満、大好き。』 「……それを聞いて安心した。」 本当に虫の息ほどの声で言ったのに、道満は満足そうに微笑んでくれた。 その笑顔にノックアウトされた私は 今度こそ耳まで真っ赤になって道満から顔を逸らすと同時に壁に縋り付いた。 「え?何でござんすか?よく聞こえなかったでござんす。アンコール!アンコール!」 「今の言葉は俺だけのものだ。教えるわけにはいかんな。」 「こっちはいきなり目の前でイチャつかれたんじゃぞ、 最後まで話を聞く権利くらいあると思うが?」 「知らんな。と言うかイチャついた覚えはない。 俺はに質問をして答えを貰っただけだ。」 「あらあら、無自覚のバカップルが一番怖いのよね〜。」 壁際にへたり込んでいる私の後ろでは テーブルを囲みながら各々が好き勝手言っているけど、 とりあえずバカップルとか言うの止めてほしい……。(恥ずかしいから) 「、いつまで壁と仲良しこよししているつもりだ?」 『で、出来ればずっとこのままで……。』 「それは困る。」 私が答えると同時に道満が私の手を引っ張って、壁から自分の方へと向き直らせた。 「ずっと壁の方を向かれていたら、 俺がの可愛い顔を見られなくなるではないか。」 『なッ……!?ア、アホか!!!!』 「アホじゃない、バカだ。」 『……〜ッ!!!!かっ、勝手に言うとけ!!!!』 いつか、近い将来、私と道満が結婚したとして、 結婚後もこんな風に道満のペースに振り回されっぱなしなのかと思うと、 いつまで私の心臓がもってくれるのか、ちょっとだけ不安になりました。愛の心臓クラッシャー
(巳厘野……いい響きだな) (ど、どこがやねん!) (むしろ結野の方がしっくりくるでござんす) (外道丸!話をややこしくするな!) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 道満は天然攻めだと思います!(胸張) ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/06/21 管理人:かほ