『でさー、その時銀時、なんつったと思う? 「俺の80%は糖分で出来てるから、あと20%くれたら砂糖菓子に変身できる!」 って声高らかに言い出したんだよー?スーパーのド真ん中で。』 ある日の夕方。 買い物帰りの僕達はいつものようにくだらない話をしながら帰っていた。 「えっ……で、どうしたんですか?」 『勿論、唖然としたよ。周りみんなこっち向いてるし……ありえなくない?』 さんの話に、僕と神楽ちゃんは歩きながら耳を傾ける。 昨日は銀さんの糖尿病の診断結果についての話で、 今日の朝早くに病院に行って聞く予定の診断結果について語っていた。 そして今日は銀さんとさんが病院の帰りにスーパーに寄った時の話。 『んで、アタシが唖然としてたらね、アイツいきなりアタシの手をとって、 「その20%はお前だ、」とか何とか言ってきたわけよ。 思わず巴投げしてさっさと帰ってきちゃった。』 「アイツはやっぱり馬鹿アルな。そんなんでを落とせると思ったら大間違いアル。」 神楽ちゃんが酢昆布を頬張りながらそう言った。 なんでも、血糖値が異常で体の80%を占めているなんて 人として死んどけよっていう診断結果をさんが注意していると、 急に銀さんが意味の分からないプロポーズをして来たらしい。 「まぁ銀さんのことですから、今更そんな話聞いても驚きませんけど……。」 僕と神楽ちゃんはちょっと呆れながら話を聞いていた。 銀さんは実はさんの事が好きで、時々こういう恋の話になる。 『えぇー?いつも言うけどさぁ、アタシ銀時は対象外なんだけどなぁ〜。』 しかしさんは銀さんの事は恋愛対象として見られないらしいので、 いつもこうして困った顔をしながら同じ言葉を繰り返す。 とは言っても銀さんの事は嫌いではないらしく、 何だかんだ言ってこうやって万事屋の世話をしに来てくれるいい人だ。 「あ、おーい!〜!新八〜!神楽〜!」 気の抜けた声に僕たちが振り返ると、 銀さんがタイヤキを頬張りながらこちらに歩いてきていた。 『あぁー!銀時アンタまた甘いもん食べてー!! 今日お医者さんに糖分控えろって言われたばっかでしょぉ?』 「だってが銀さんのものになってくれないんだもん。 ヤケ食いと残りの20%の糖分を補給しようと思ってな。」 『アンタは砂糖菓子にでも変身したいの?』 少し怒った様子で、さんが銀さんの食べかけのタイヤキを奪い取り、 それを神楽ちゃんの口の中に放り込んだ。 「あ゛ぁ゛ー!?俺の大事な糖分をテメェェ!!!!!」 『駄目なものは駄目!』 銀さんはさんを恨めしそうに睨んでいたが、 さんはちっとも怯まずに銀さんを睨み返す。 僕は隣でタイヤキの後にすぐさま酢昆布を頬張った神楽ちゃんに 顔をしかめて胸をさすりながら2人の様子を見守っていた。 「……じゃあ、ほら!」 『あ?』 「あ?じゃねぇよ。手ェ、つなげよ。」 『はぁ?』 「ほらッ、糖分の代わりに手ェつないで帰れよ!つか帰るぞ!」 『あっ、ちょっとぉ!!』 銀さんはぶっきら棒にさんの手を掴み、ズンズン歩いて行ってしまう。 さんは最初は抵抗していたものの、 観念したのか文句を言いつつも一緒に歩いてあげていた。 「……ああしてると、本物のカップルみたいなんだけどなぁ。」 「が銀ちゃんに惚れるなんてありえないネ。」 「うん……そうだけど……。」 ウチの大将が幸せになったらいいね。 僕がそう言うと神楽ちゃんはちょっと微笑んでこう言った。 「今でも十分幸せアル。」ただ隣に君が居るだけで
(……なぁ、。やっぱりもう一回考えてくれよ) (ん〜?いいよ?) (マジで!?) (はい、考えた。やっぱムリ) (…………) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ いきなり一方通行ネタを書いてみたくなったので、 まずは手始めに銀ちゃんから書いてみました!(なんという計画性のなさ) ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2009/01/12 管理人:かほ