一日目 ――――――――――― 件名:大ニュース! 本文:いいお酒が入った から銀時一緒に 飲もうよ ――――――――――― ――――――――――― 件名:断る 本文:別に俺と飲まなく てもいいだろ ――――――――――― 二日目 ――――――――――― 件名:銀時ー! 本文:辰馬と小太郎が遊 びに来た! 銀時も一緒に飲み に行こー! ――――――――――― ――――――――――― 件名:断る 本文:彼氏同伴だったら 浮気も許されると 思ったら大間違い なんだよ ――――――――――― 三日目 ――――――――――― 件名:大変! 本文:お店で変な奴等が 暴れまわってるか ら銀時助けに来て ――――――――――― ――――――――――― 件名:断る 本文:俺じゃなくても、 そっちには化け物 2人とカラクリが 居るじゃねーか ――――――――――― 四日目 ――――――――――― 件名:大丈夫? 本文:昨日、お登勢さん とキャサリンにボ コボコにされたん だってね…… 看病行こうか? ――――――――――― ――――――――――― 件名:いらねーよ 本文:そんなことよりメ ールの内容ババァ 達に漏らすのやめ ろよ…… ――――――――――― 五日目 ――――――――――― 件名:エイリアン大戦争 本文:お客さんに映画の チケット貰ったか ら一緒に見に行か ない? ――――――――――― ――――――――――― 件名:断る 本文:俺じゃなくてガキ 共連れて行けばい いだろ ――――――――――― 「「「「はぁ……。」」」」 アタシが五日間の戦歴を読み上げ終わると同時に、 新ちゃんと神楽ちゃん、キャサリン、お登勢さんが一斉に溜息を吐いた。 「って言うか、 このあいだ銀さんが大怪我してたのってこれが原因だったんですか……。」 「化ケ物呼バワリスル方ガ悪インダヨ。」 新ちゃんが乾いた笑いで顔を引きつらせると、 キャサリンが「ハン!」と鼻息を荒くした。 アタシはそんな2人から銀時携帯に視線を落とし、軽く溜息を吐く。 『そろそろメール飽きてきたなぁ……。』 アタシのその何気ない呟きに、新ちゃんと神楽ちゃんがガタンッと席を立った。 「!銀ちゃんを見捨てないであげてヨ!」 「さん本当にすみません!!ゴメンなさい!! 僕達が土下座しますからもう少し頑張ってあげて下さいぃ!!」 『ちょ、ちょっと2人とも落ち着いて……!』 言いながら本当に土下座しようとする2人を慌てて止め、 アタシは銀時携帯を眺めながらもう一度大きな溜息を吐いた。 『頑張るって言っても、銀時ぜんぜん機嫌直んないんだもん。』 「そんなことないアルよ?銀ちゃんむちゃくちゃ喜んでるネ。」 『え?そうなの?』 神楽ちゃんの言葉にアタシが驚いていると、 新ちゃんが拳を握り締め元気いっぱいに「はい!」と言った。 「さんとメールのやりとりをするようになってから、 ちょっとずつ銀さんの機嫌が良くなってるんですよ!」 『へぇー、そうなんだ。』 「そうアル!最近は“”って呟かなくなったし、 仕事だってちゃんと出来るようになったネ!』 『ふーん……。そのわりには返信が冷たいけど……。』 「銀時様は様に必要としてほしいのではないでしょうか。」 溜息混じりに言ったアタシに向かって、たまがそんなことを言った。 その言葉に、その場に居た全員が一斉にたまの顔を見る。 「メールの中に繰り返し“俺じゃなくてもいい”という言葉が見られます。 これは銀時様を必要としてほしいというサインなのでは?」 小首を傾げながらたまが言えば、今度はアタシが注目される番。 みんなに一斉に注目されて一瞬驚いたけど、 アタシはすぐに頭を抱えて溜息を吐いた。 『多分そうだろうと思って、一応銀時だけを誘ってたつもりだったんだけど……。』 アタシの言葉に、新ちゃんと神楽ちゃんが大きな溜息を吐き、 「すみませんさん……」「不器用なガキアルからな……」と言って そのまま机に突っ伏して落ち込んでしまった。 アタシはそんな2人を苦笑いで見つつ、どうしたものかと頭をかかえる。 『あっ、そうだ。』 突然いいアイデアが閃いたので、アタシは早速メールを打ち始めた。 そんなアタシの様子に、お登勢さんとキャサリンが顔を見合わせる。 新ちゃんと神楽ちゃんは何事かとアタシの携帯を覗き込み、 たまも不思議そうな顔をして一緒に画面を覗き込んできた。 「えっ、そんな内容で大丈夫ですか?」 『どうして?銀時といえばコレでしょ!』 「そんなんだったらキャバクラに誘った方がマシネ。」 『いや、それはアタシが楽しめないから。』 アタシはメールを打ちながら2人とそんな会話を繰り広げた。 『まぁ見てなさいって。この作戦には続きがあるんだから。』 アタシはニヤリと意味深な笑みを浮かべつつ、最終兵器を銀時の元へと送り込んだ。キミだけに送る言葉
(坂田君へ 一緒に甘いものでも食べに行かない?) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 自分だけを必要としてほしい銀ちゃん可愛いよねって話。 ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2011/06/10 管理人:かほ