「、俺が寝るまで隣に居てね。あ、それとも一緒に寝る?」 「ねぇ。何で昨日阿伏兎と2人で任務に行っちゃったの? 俺の隣に居てくれなきゃ困るよ。俺も連れて行ってくれれば良いのにさ。」 「あ、。丁度よかった。一緒に食堂行こうよ。」 私の答えは全て『はい』だ。 そうしなければ殺される。 あぁ……可哀想な私……。 団長にいきなり(そう、任務での戦闘の真っ最中にいきなり)愛の告白をされ、 それに半ば強制的にOKと言わされてからもう7ヶ月。 流石にここまで来ると愛情というか、愛着が湧いて来て、 今では私も団長と居るのに苦を感じなくなってきた。 最初は、そりゃ、ね。何度誘いを断った所為で死ぬかと思ったか……。 そして、団長は何かと私と一緒に行動したがる。 最初は特に気にも留めていなかったのだけど(いつも団長が強引だから)、 最近それがエスカレートしてきた気がする。 食事や睡眠(添い寝だけは勘弁してもらった)は勿論のこと、 任務にだって一緒に行きたがる(ただし団長は仕事をしない)し、 阿伏兎さんと報告に行く時だって付いてくるようになったし、 資料を探しに行く時だって、お風呂に入りに行く時だって、 最近ではトイレにまで付いてくるようになった。(勿論団長は外で待ってるけどね) ここまでエスカレートしたら、いくら私でも堪忍袋の緒が切れる。 というかさっき切れた。 そして、またしても資料庫に付いて来ようとしていた団長をキッと睨みつけ、 私はあまり団長を怒らせない程度のトーンで怒鳴った。 『団長!いい加減にして下さい!!』 「、2人の時は神威って呼べって言ったじゃないか。」 『あぁもう!話を逸らさないで下さい!! 最近の団長気持ち悪いです!ストーカーですか!?何ゴリラですか!?』 「酷いなぁ。恋人と一緒に居たいと思う事のどこが悪いんだい?」 『いくらなんでもやりすぎです!!もうちょっと普通にして下さい!!』 「無理だよ、だって俺夜兎族だもん。」 『あぁぁ〜もぉぉ〜!!!!!!』 グワングワンと頭を抱える私に、団長は『まぁ落ち着きなよ』と言い放った。 それにカチンときた私はまたキッと団長を睨みつけ、 『とりあえず、今日は付いて来ないで下さい!!』 と吐き捨てて部屋を出て行こうと団長に背を向けた。 すると、突然後ろから団長に抱きつかれ、私の足は前に進まなくなった。 イライラしていた私は『何するんですか!!』と怒鳴ろうとしたが、 ふいに私の耳に団長の呟きが聞こえて来たため、それは未遂に終わった。 「どうして、駄目なの?」 一瞬私はドキッとして、罪悪感に押しつぶされそうになった。 その声は本当に団長のものかと耳を疑うほど寂しそうで、酷く弱々しくて、 まるで無理やり親から引き離された子供のようで……。 『か、むい……?』 私は無意識のうちに彼の名を呼んでいた。 「どうしてずっとと一緒に居られないの? 俺はこんなにも一緒に居たいと願っているのに。」 『神威……?なに、いきなり……。』 「こんなにも好きなのに、こんなにも手に入れたいのに、 俺たちは違う個体だから決して交わる事なんて出来やしないんだ。 だからせめて一緒に居たいんだよ。の隣に居たんだ。悪い?」 そこにいつもの団長は居なくて、強者主義な彼は今、ただの人間になっていた。 恋に臆病なわけでも、私が誰かのものになる心配があるわけでも、 自分に自信がないわけでもない筈なのに。(むしろ自信過剰すぎる) 私は困惑して、しかも抱きしめられているので顔は真っ赤だしフラフラするし、 団長の『悪い?』の問いに答える事が出来なかった。 「知ってる?兎は寂しいと死んじゃうんだよ。」 痺れを切らした団長は、ふとそう教えてくれた。 「俺は兎だ。いつも隣にが居ないと、寂しくて死んじゃうんだ。」 そう言うと同時に団長は私を解放した。 先ほどの言葉に顔はまだ真っ赤なままだったが、 それでも私は振り返って団長の顔を見た。 真面目で真剣なまなざしの団長の顔を見たとき、心臓がドクンと跳ね上がり、 体温が急上昇していったのを、私はクラクラする頭で感じ取った。 「だから、傍に居てもいいだろ?」 今度は優しい微笑みで私に答えを促す。 そんなの、答えは決まっているじゃないですか。 『……トイレを勘弁してくれるなら、私は貴方のモノですから。』そして兎は笑顔する
(じゃあ風呂と添い寝は公式って事でいいよね?) (やっぱりもっと制限させて下さい) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 最近の私の中での神威がデレデレ攻めになってきたのはどうして? ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2009/01/30 管理人:かほ