『ぎぎぎ銀時どうしよう!!!アタシ誘拐されるぅぅ!!!!!』 「おお落ち着け!とりあえずタイムマシンを探すんだ!!!!」 『テメーが落ち着け!!!!』 団長の言葉に動揺していると銀髪は、動揺のあまりいきなり漫才をし始めた。 それをケラケラと笑いながら見ている団長。 騒ぎを起こす気がなくなったのはいいことだが、 まさかここまでストレートに本人に告白するなんて予想外だ。 そもそも俺たち夜兎族のプロポーズなんて滅多にお目にかかれるもんじゃない。 夜兎だって思春期になればちゃんと異性に興味を持つが、 その中で結婚、出産まで行く奴はそうそう居ない。 だから夜兎族がどんどん減っていって絶滅寸前にまで追い込まれたんだ。 団長はその少子化に歯止めをかけようとでも思っているのだろうか。 この人とは結構長い付き合いだとは思うが、未だに考えている事がサッパリ理解できない。 「ということで、俺と一発やっちゃおう。」 『えぇぇ!?何それ本気!?ちょっと待って!アタシまだ心の準備が!』 「じゃあ10秒待ってあげるよ。その間に心の準備をすればいいだろ?」 『ゴメンなさい表現方法を間違えました! アタシ貴方と結婚する気はこれっぽっちもありませんんん!!!!』 ジワジワとの方に歩み寄っていく団長に、 は目に涙を溜めて後ずさりをしながらそう叫んだ。 それを楽しそうに見ている団長は、やっぱりどこからどう見てもドSだ。 泣けば泣くほど団長の楽しませることになるというのに、 今のは恐怖のあまりそこまで思考が回らないらしい。 「ちょっと待てよ! を嫁にほしいんだったらこの俺に話を通してもらわねぇとな!」 『ぎっ、銀時!』 バッと団長との間に割って入ったのは、 さっきまでの団長への失言に一番ビビっていたあの銀髪の侍だった。 やっぱり仲間のピンチとなるとアイツは前に出てきて仲間を守るのか。 俺はちょっとだけ銀髪を見直したが、団長の顔は思いきり不機嫌になった。 せいぜい団長に殺されないよう祈っておいてやるよ、銀髪。 「さっきから目障りだとは思ってたけど、そろそろ本気で殺しちゃうよ? お侍さん、と一体どういう関係なんだい?」 「安心しろ!俺はコイツの保護者だ!」 「保護者?」 「そう!保護者!俺はコイツの親代わりなんだよ!」 どうやら死への選択肢は選ばずに済んだようだが、団長の顔はまだ険しい。 しかし後ろに居るが首を縦に振っているところを見ると、 どうやらあの銀髪がの親代わりだというのは事実のようだ 見たところそこまで歳が離れているわけでもなさそうだが…… コイツ等にも色々と事情があるのか、そういう複雑な関係らしい。 「ふーん……だからこんな狭い所で2人で住んでるってわけだ。」 まだ納得のいっていない団長はジロジロと銀髪を見定めながらそう言った。 この人こんなに嫉妬深い性格だったんだな……初めて知った。 団長が女に興味を示すなんて考えもしなかったから、 こんな一面を持っていたなんて意外や意外、スクープもんだ。 『えっ!?いやいや、2人で住んでないから! ここには銀時と神楽ちゃんが住んでて、アタシはこの下!』 「お侍さんの下に住んでる?何それ、組み敷かれてるってこと?」 『どえぇぇぇ!?今の言葉をどう聞き間違えたらそうなるのォォ!?』 「オイ!!今明らかに俺の命が危険にさらされたんだけどォォ!?」 分かってやってるのかそれとも本気なのか、 まさかの聞き間違いをして勝手に怒っている団長に2人が慌て始めた。 そして団長はと言うと、どうやらさっきのは本当に聞き間違っていたらしく、 指をバキバキと鳴らしながら銀髪の侍にジワジワと近寄っていた。 「ちょっ、待ッ……!!!!」 「何かムカつく。嫉妬しちゃったからお侍さん殺しちゃうよ。」 「ぎゃあぁぁぁぁ!?」 団長の言葉を皮切りに、銀髪と団長の死闘(という名の銀髪の処刑)が始まった。宙を舞う家具・家電
(きゃー!?銀時ィィィ!?) (テメーのせいだぞ助けろォォォ!!!!!) (この家壊しちゃっていいよね、2人の愛の巣なんだもんね) (Σ団長ストーップ!!!!!) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 「下に住んでる」をそういう発想に持っていくのが兄ちゃんクオリティ。 ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/10/24 管理人:かほ