拝啓、姉上さま。 僕らの万事屋はいつから家電や家具が飛び交う バイオレンスな職場になってしまったんでしょうか。 僕の記憶している限りでは表通りに面した玄関がついていたと思うんですが、 今やその玄関は跡形もなく崩れ去り、 そこから冷蔵庫やら電子レンジやらが飛び出してきています。 「新八ぃ、アレ銀ちゃんの性欲が爆発したアルか?」 「いや、どんなけ!?性欲爆発したって銀さんの性欲どんなけ!?」 僕が神楽ちゃんにツッコミを入れている間にも、 非常に開放的な玄関からはソファーやら布団やらが飛び出しています。 しかも家の中から銀さんの声とは明らかに違う、 どこかで聞いたことのあるようなないような、そんな声が響いてきます。 「団長ォォ!!!!俺まで巻き込まんで下さいよォォ!!!!」 「テメーの上司だろーが!!!テメーが何とかしろォォ!!!!」 「阿伏兎、邪魔だ!お侍さんを庇おうって気ならお前も殺すよ!」 「「ぎゃあぁぁぁ!?」 ドガァン! 「…………。」 「何アルかアレ?銀ちゃんの友達アルか?それともの彼氏アルか?」 隣で酢昆布を頬張りながら呑気なことを言っている神楽ちゃんに、 僕は心の中で「そんなわけあるかい!」と盛大にツッコんでいた。 何故心の中だったのかと言うと、あまりの衝撃に言葉が出なかったからだ。 幸い、周りには万事屋のいつもの大騒ぎだと思われているようだったが、 これ普通の人が見たら確実に警察呼ばれるよね?怒られるよね? 姉上、僕が平和に生活出来る日はまだまだ遠いようです。 とりあえず、今吹っ飛んできたテレビが壊れていない事を祈ります。 明らかにペシャンコになってるけど、全部夢でした☆っていうオチを祈ります。 『オイテメェいい加減にしろやァァ!!!!! そろそろアタシも怒るよ!?暴力振るっちゃうよ!?』 「ちょ、危ないってちゃん!! 銀さんも居るからね!?一緒に当たっちゃうからね!?」 「俺も居るんだから手加減しろよ!!俺が死なない程度で!!」 「オイクソジジィ!!!!俺の身の安全はどうしたァァ!!!!」 何かバイオレンスな光景なわりに、 銀さんともう一人の声の主の仲が良さそうなのでちょっと安心した。 いや、全然安心できる状況じゃないんだけど、 とりあえず命に別状はなさそうなので安心した。 なんか死なない程度でとかいう単語が聞こえたけど、 それはきっとアメリカンジョークなんだって信じることにする。 「新八ぃ、やっぱり銀ちゃん欲求不満で暴れてるネ。 早く帰らないとが襲われちゃうヨ。」 「いや、アレ絶対に銀さんが誰かに襲われてるからね。 さんの身の安全は保障されてるからね。」 「何言ってるアルか!男はなぁ、みんな狼なんだよコンチクショー!!」 全く状況を理解していない神楽ちゃんに僕が怒られた時、 歌舞伎町にさんの怒鳴り声が木霊した。 『いい加減にしろっつってんだろーがァァァ!!!!!!!』 ドガシャアアン!! さんの声と共に吹き飛んできたのは、銀さん愛用の社長机だった。 あれっ、おかしいな……あれ結構重かったはずなんだけどな……。 僕は自分の見間違いかと思って眼鏡をはずして目を擦ったけど、 次に眼鏡をかけた瞬間地面で机が弾け飛んだので幻覚ではなかったようだ。 「神楽ちゃん、大変な事思い出しちゃった。ふりかけ買い忘れちゃった。」 「マジでか!そりゃ大変ネ!今すぐ走って買って来いヨ!」 「一緒に行こうよ。また酢昆布買ってあげるから。」 「きゃっほぉう!やったネ!そうと決まれば早速行くアルー!」 こうして、僕達は壊れ果てた万事屋に背を向けて歩き出した。良かった、扱いやすい子で
(新八ぃ!銀ちゃんにエロ本買って帰るネ!) (変な気ぃ使わんでもいいわァァ!!!!!) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ よい子の皆はマネしないでね。 ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/10/24 管理人:かほ