しょうせつ
は初めて俺が惚れた女だ。力づくでも俺の嫁にする。」

俺のその言葉に、は顔を真っ赤にした。
恥ずかしさのあまり言葉を失ったのか、
何かを言おうと口を開くが、結局言葉が出ずにまるで金魚みたいだ。
俺はそんなを見て内心非常に満足していた。
別にの過去なんかに興味はない。
俺は、今ここに居るを手に入れることが出来ればそれでいいんだから。

「、金魚みたいでバカっぽいよ。」
『うっ、うるさい!!!!アンタが変なこと言うからでしょーが!!!!!』
「別に変なことは言ってないだろ?ただに告白しただけじゃないか。」
『だ、だからそれが……!!!!』

うまく反論の言葉が出てこないのか、
は『うぅ〜!!』と唸りながら悔しそうな顔をした。

どうしてはこうも俺の興味をそそるのか。
地球人の女のくせに、実は半分天人の血が入ってたり、
治癒能力を使うだけかと思ったら意外と強いし。
そうかと思ったらこんな風に女みたいな反応するし。

普段のからは想像も出来ないほどの過去を背負っておきながら、
それを決して表には出さずに明るく元気に生きている。
なのに俺がちょっと真面目に告白したら、
隠そうと思っても隠し切れないほど顔を真っ赤にして照れる。

弱いと思ったら強くて、強いと思ったら弱い所が見えてくる。
過去を隠すのが病的に上手いのに、自分の感情を隠すのが病的に下手だ。
本当には見ていて全然飽きないな。

『ちょっと!何ニヤニヤしてんのよ!!
 いい!?アタシはアンタの嫁になんか絶対にならないからね!?』
「よし、じゃあとりあえず俺のことは名前で呼んでね。
 神威だよ。覚えた?名前で呼ばなきゃうっかり殺しちゃうぞ。」
『何なのコイツ!!!人の話聞かない上にとんだ自己紹介なんですけど!!!』

うがあぁぁと頭を抱えながらその場で地団太を踏むに、
俺は思わず吹き出してしまった。
やっぱりは面白いや。反応の一つ一つが面白い。
こりゃからかい甲斐があるなぁと思っていたら、
阿伏兎とお侍さんが2人同時に溜息をついた。

「まぁまぁ、ちょっと落ち着けって。」
『だって銀時!!』
「そう言えば、さっきから銀時銀時って言ってるけど、銀時ってお侍さんのこと?」
「あぁ?そうだけど?」

「今更かよ」と悪態をつくお侍さん、もとい銀さんに向かって、
俺は「ふぅん」と生返事をした。

「じゃあ、今から銀さんのこと名前で呼ぶの禁止ね。」
『はぁ!?ちょ、いきなりの無理難題なんですけどこの人!!!』
「ってゆーかテメーに銀さんなんて呼ばれる筋合いねぇよ。」
「と銀さんが仲良くしてたら俺嫉妬するからさ。」
『何コイツ恥ずかしい!!アタシ耐えられない!!』
「だからテメーに銀さんなんて呼ばれる筋合いねぇよ!」

は俺の言葉にまた顔を真っ赤にして、
今度は顔を隠して隣の部屋に走り去って行った。
そんなの反応があまりにも可愛くて、俺は思わず笑ってしまった。
俺の横では怒った様子の銀さんが
「ねぇちょっと聞いてる!?俺の声聞こえてる!?」とか言ってるけど、
今はの事を考えていたいから完全に聞こえない振りをした。

やっぱり俺の嫁はしか居ないや。
こんなに他人に、しかも地球人に興味を持ったのは生まれて初めてだ。
次は何を言ってからかってやろうかなと考えていたら、
俺の考えなんて全部お見通しなのか、阿伏兎が「団長」と俺を諌めた。




困っているがたまらなくおしい

(をからかうのは構いやしねーが、度が過ぎると嫌われっぞ) (何?阿伏兎もに惚れたの?) (んなわけねぇだろーが!いちいち睨むな!!) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ ドSな兄ちゃんでしたって話。 ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/11/03 管理人:かほ