いきなり爆発が起こるなんてのは俺たちにとっちゃ日常茶飯事だが、 まさかこのぬるま湯・地球でそんな場面に遭遇するとは思ってもみなかった。 しかも爆発の原因はあの真選組だと言うから驚きもんだ。 真選組と言えば、宇宙にもちょっとは名の知れているやり手揃いの地球の武装警察だ。 俺が言うのもなんだが、武装警察が騒動を起こしてもいいもんなのか? 「あ、やっぱり沖田君じゃねーか。」 「あれ?旦那じゃありやせんかィ。どうしたんでィこんな所で。」 銀髪が話しかけた男は団長みてーな顔をした若いガキだった。 こんな若いガキが真選組の隊士なのか。 しかも結構な身分らしく、一人だけカッチリとした制服を着ている。 そして、その手にはしっかりとバズーカが握られていた。 …………何で真選組が往来でバズーカなんて背負ってんだ? 「お前こそ何してるネ。テロアルか?」 「んなわけねーだろチャイナ娘。俺を誰だと思ってんだ。警察だぜ警察。」 「いや、警察は街中でバズーカ背負って仁王立ちなんかしませんよ……。」 団長似の若いガキに眼鏡が苦笑いでそう突っ込んだ。 やっぱりこういう顔した奴にはロクな奴が居ないらしい。 それは宇宙でも地球でも同じようだ。 『うっわ、店が大破してる……総悟アンタ何やったの?』 「見たら分かるだろィ。」 『見て分からないから聞いてるんだけど!?』 「連続強盗事件の犯人を捕まえたんでィ。 あそこのカフェで優雅にお茶してやがったんで、お灸を据えてやったのさ。」 「お灸どころかバズーカ食らわされてんじゃねーか。」 「それはそれ、これはこれ。」 全く言葉のキャッチボールが出来ていないその会話に、俺は深い溜息をついた。 やっぱりこの顔の男には周りが振り回されるんだな……。 店の周りであたふたしている真選組の連中に、俺は少しだけ同情した。 一人感傷に浸りながらしばらく大破した店を眺めていると、 俺の近くでガチャリと手錠をかけたような音が聞こえていた。 その音に俺が目線をたちに戻すと、何故かさっきのガキにが捕まっていた。 …………何で真選組がいきなり一般市民を捕まえてんだ? 『ちょっとぉ!!いきなり何するのよー!!』 不当な逮捕に当然の如く怒る。 しかし若いガキは表情一つ変えずにこう言い放った。 「今まですっかり忘れてたが、 お前を連れてくるように近藤さんから命令があったんだった。」 『嘘付けぇぇ!!!!見え見えの嘘ついてんじゃねーぞテメー!!』 怖いくらい団長に行動が似ているこのガキは、 が必死で抵抗しているのにも関わらず はめた手錠を引っ張ってを車に乗せようとしていた。 「いやいや、ホントだって。マジだって。本気と書いてマジだって。」 「うぉらぁぁサド野郎ォォ!!!!を離すネ!!!!」 「んだとゴルァ。公務執行妨害で捕まえんぞ。」 「そう言うお前は誘拐罪だろーが!!を放しやがれ!!」 真顔でを車に押し込もうとするガキにとうとう団長の妹と銀髪が怒り出し、 3人でギャーギャー言いながら押し問答を繰り広げていた。 それを見て眼鏡が「あーもう、3人とも落ち着いて下さいよ!」と仲裁に入る。 しかし喧嘩は留まるところを知らず、それどころか殴り合いにまで発展していた。 ここまで来るとそろそろ若いガキが真選組だという事実が疑わしく思えてきたぞ。 コイツ本当に真選組なのか? 「オイ、何してやがる。」 俺が銀髪たちの喧嘩を一歩引いたところで眺めていると、 急に後ろから誰かが声をかけてきた。 今度は誰が来たのかと思いながら俺が後ろを振り返るのが早いか、 銀髪が声の主に向かって怒鳴るのが早いか。 どうやら銀髪の知り合いだったらしいその男に、銀髪は間髪入れずに怒鳴り始めた。 「多串!!!テメェんトコのガキとんでもねぇぞ!!ちゃんと教育しろ!!!」 「誰が多串だゴルァ!!!!叩き斬られてぇのか!!!!」 多串と呼ばれたその人物は銀髪の言葉に即座に刀を抜いた。 よく見ればコイツも真選組の制服を着てるじゃねーか。 仮にも国家警察が一般市民に向かってこんなに物騒でいいのか? 俺はますます地球の武装警察が何かよく分からなくなってきた。チンピラ警察24時
(地球ってのは俺が思っているほどぬるま湯でもないのかもしれねぇな……) .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○ 旧『嫁になれ』で出張りすぎた真選組、今回は華麗にカットです!(笑) ※誤字、脱字、その他指摘等は拍手かメールにて。 2010/11/06 管理人:かほ